gakusyu.jp 数学 初級問題集(数学の問題です。がんばってみましょう。)
問題:$ a>0 $ のとき,$a+\dfrac{1}{a}$の最小値は。 |
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解説 2つの実数$a,b$について,$\frac{a+b}{2}$を$a$と$b$の「相加平均」(arithmetic mean)と言います。いわば足し算の平均ですね。日常よく使う「平均」はこのことを指す場合がほとんどだと思います。 また,実数が$a>0,b>0$のとき,$\sqrt{ab}$を$a$と$b$の「相乗平均」(geometric mean)と言います。いわば掛け算の平均です。この2つの平均の間には, $\dfrac{a+b}{2} \geqq \sqrt{ab}$という関係があります。さらに等号が成り立つのは$a=b$のときです。 さて問題の解説です。今解説した不等式を$a+b \geqq 2\sqrt{ab}$$b$として$\frac{1}{a}$を与えます。$a$は正なので,この分数も正ですよね。注意したいのは,相乗平均は正の数でしか使えないということです。今回のこの決め方は大丈夫です。$ a + \frac{1}{a} \geqq 2\sqrt{a \cdot \frac{1}{a}}$となります。すると,この不等式の右辺はなんと定数になってしまいます。まあ,問題文の式を見た上で,そうなる様に先を読んで置いたんですけどね。$ a + \frac{1}{a} $はある定数以上の値をとることはわかりましたが,等号は成り立つのでしょうか。等号の成立が保証されないと,最小値は求まりません。$ a $ と $\frac{1}{a} $ の2数が等しいときに等号となります。その等しいときは実際にあるので,めでたく等号も成立するので,不等式の右辺が最小値となりました。 最後に相加相乗の不等式を証明しますと, 左辺の2倍-右辺の2倍 $=\sqrt{a}^2-2\sqrt{ab}+\sqrt{b}^2$ $=(\sqrt{a}-\sqrt{b})^2\geqq0$ |
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