gakusyu.jp 数学 初級問題集(数学の問題です。がんばってみましょう。)
問題:$ x,y,z $ は実数とする。$ x = y $ は, $ xz = yz $ であるための( )。 |
| |||
| |||
| |||
|
解説 「$ P $ならば$ Q $である。」が真のとき(正しいとき)に,$P$のことを($Q$であるための)「十分条件」と言います。$Q$のことを($P$であるための)「必要条件」と言います。 以下,$ P $を「$ x=y $」とし,$ Q $を「$ xz=yz $」とします。この問題は$P$がいったい「十分条件」なのか「必要条件」なのかについて調べる問題になります。 この問題で考えてみますと,まず$P$が「十分条件」か否かについて検討してみましょう。そのためには,$P$を,「ならば」の前に持ってきた文章を作ります。「$P$ならば$Q$」に相当する文章は,『「$ x=y $」ならば$ xz=yz $』になりまして,この文章は正しいです。2つの実数 $ x,y $ が等しい数であるならば,その等号の両辺に実数 $ z $ を掛け算しても,等号は成り立っています。なので,ある命題が真のときの「ならば」の前($P$『$ x=y $』)は,「十分条件」と言って良い事になります。 さて,次は「$ x=y $」が必要条件なのか否かについて検討します。そのためには,「$ Q $ならば$ P $である。」の文が,正しいか否かの検討をする事になります。すなわち,必要条件と言って良いのか否かの検討には,その検討の対象(今回は$P$)を「ならば」の後に持ってきた文章を作って,その真偽を検討する事になります。 具体的に作りますと,『$ xz = yz $ ならば $ x = y $ 』となります。これについて考えます。 これは実は正しくありません。 正しくない証明には反例を上げるとよいでしょう。 この場合の反例は$x=2,y=3,z=0$などがあります。要は$x,y$として互いに等しくない数をあげ,$z$として$0$を考えます。そうするとならばの前の$xz=yz$は成り立っていますが,ならばのあとの$x=y$は成り立っていません。なので,「$ Q $ならば$ P $である。」の文は正しくない文章になります。なので,$P$は必要条件にはなりません。 以上で説明終わりですが,この解説初めの4行は定義であり覚える事ですが,「$Q$」は今回問われておらず,まあ脇役というか,英文法などで例えると,目的語か補語のような存在で,どうでも良い訳なので混乱する人もいるかも。なので,暗記のために,極力$Q$の存在を消して,全部$P$ではじめの4行を書き直すと,「$P$ならば~」が正しいと,$P$は「十分条件」となり,「~ならば$P$」が正しいと,$P$は「必要条件」になります。 |
gakusyu.jp 初級問題集 TOPに戻る…この窓で 別の窓で